26歳女の恋 ~遠距離で鍛えられた一途さ~

 札幌市で会社員をしている30代前半のOLです。

建設系の会社で技術事務をしています。


 彼との出会いは5年ほど前、まだ20代後半のころ、当時私は精神的に大変疲弊していて、実家で生活しながらフリーランスのイラストレーターをしていました。

相手は長野在住の8個上の運送業です。


収入も月に6万ほど、田舎の生活で車で30分以上出かけないと買い物も満足にできないような生活をしており、毎日大変な孤独感にさいなまれていました。

なかなか外にも出られなかった私にとって、人とのかかわりや学び・趣味などの情報はすべてインターネットから得ていました。

当時、スカイプというSNSを用いて、インターネットの掲示板に書き込みをし、在宅ワークのお友達やメンタルを抱えているお友達などをつくって毎日誰かと話しながら絵をかいたり実家の仕事を手伝ったりしていました。


 1000人近くの見知らぬ誰かと話していて、大勢の中の1人でほかの仲の良い友達に埋もれていたのが彼です。

仲良しのこと毎日2~6時間ほど話して、彼とは真夜中に1~2通やり取りをする。


密に連絡を取らなくてもチャットを送ると返事が返ってくる人で、音楽についての趣味が合い、たくさんの素晴らしい音楽を教えてくれ、だんだん私は彼について興味を持つようになりました。


 「通話してみたい」「もっと仲良くなりたい」わたしは率直に自分の気持ちを伝えました。


 母と暮らしているから真夜中ならいいよ。

初めて電話を鳴らして一言「こんばんは」と彼の声を聴いたとき、私は全身が震えてこの人が運命の人だと思いました。

それから毎晩通話しながら一緒に寝ていました。


ラインも交換して、そこから毎日連絡のやり取りをしてお互い写真でしか顔を見たこともないまま半年ほどおつきあいしていました。

3年ほど彼とおつきあいしましたが、会ったのはたったの2回です。


 大好きで将来の話を私は夢見ていたのですが、なぜかお互いの生活の話をするときに絶対できない。

とかたくなに拒否され続けました。

後からわかったことですが、彼には以前ご家庭があり、子供がいるとのことでした。


 ご実家で生活しているのもそういった理由からだそうで、こんな風に仲良くなると思わなくて言い出せずにいた。

と打ち明けられました。

インターネット上の出会いの残酷さに当時の自分は大変傷ついて、何とかできないかと交際3年の間に気持ちを投げかけましたが「自分は金銭的にあなたを幸せにできない」と結婚についてはNOを貫かれました。

思えば相手のアドバイス通り、そのとき痛みをこらえて友達のままでいたなら。

私は適齢期の時間を誰かほかの人との時間に使って、現在までの間に結婚生活など手に入れていたかもしれません。

でもなかなか大好きな気持ちは手放せませんでした。


 結局、好きな気持ちを持ったままなかなか会えず将来の約束がない彼と過ごす時間に煮詰まった気持ちを抱えた自分は、「彼の言うとおり、ほかの人にも目を向けたほうがいいかもしれない」と新たに身近な出会いを求める決心をして、彼との交際を解消しました。


 遠距離から始まった恋なので、連絡さえ毎日とれていれば会えないのが普通の毎日です。

3年でたった2回ふたりで出かけた思い出は、今でも自分の中で大切な経験だったと思います。


 自分の気持ちに正直に、好きな気持ちを保てそうなら遠距離を続けても私はいいと思っています。

自分はなかなか気難しやで、気の合う人が見つからないというのもありますが、若い時期にいちずに恋愛したことは私の中でいい経験になりました。

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